■沈没船や遺物の他、驚きの「発見」も

 ウィスワ川は長さ1000キロを超える欧州有数の河川。ポーランドを二分して、バルト海(Baltic Sea)に注ぐ。ワルシャワでの水位は平均237センチだが、1960年には、観測史上最高となる787センチを記録したこともある。今回の低水位は農業に打撃を与えはしたが、地下水から取水しているワルシャワの飲料水には影響しなかった。

 この夏、ウィスワ川から発掘されたものには、紀元前700年から400年にさかのぼる陶磁器のほか、橋やボートの一部などがある。その他、ワルシャワのカジミール宮殿(Kazimierz Palace)のものと思われる方尖塔や柱の基礎も発見された。同宮殿は17世紀に建造されもので、現在はワルシャワ大学が使用している。

 歴史的な遺物は、他の河川でも発見されている。ほぼ完全に干からびたブズラ(Bzura)川からは、第2次世界大戦の終わりに墜落したソ連軍機の残骸が見つかった。同国南東部のサン(San)川から出てきた第1次世界大戦時代の巡視船には、1世紀以上前の銃や銃弾もあった。

 だが、驚きの発見は、沈没した船や古代の遺物だけではない。先月には、暑さをしのごうとしたヘラジカがワルシャワ中心付近を流れるウィスワ川をうろつき、メディアの注目を集めた。警察に捕獲され、街中から離れた緑地に放されるまで、物憂げなヘラジカの様子をテレビは何時間も生中継し続けた。(c)AFP/Stanislaw Waszak