【8月26日 AFP】ギリシャの文化省は25日、同国の考古学者チームが、ミケーネ文明時代(Mycenaean Age)の古代宮殿跡を発見したと発表した。遺跡からは、同時代の重要な古代ギリシャ文字の碑文が出土したという。

 宮殿跡は、同国南部の都市スパルティ(Sparti)近くで発見された。紀元前17~16世紀頃に建てられた可能性が高く、約10の部屋を確認できた。

 考古学者チームは同遺跡から、崇拝対の象物、粘土製の小像、雄牛の頭部の装飾が施された杯、剣、壁画の断片などを発見した。

 2009年以降にこの地域で行われた発掘調査では、宗教儀式、名前、場所などを記述する「線文字B(Linear B)」と呼ばれる古代文字で刻まれた粘土板の碑文が複数出土している。欧州で発見された最古の文字とされる線文字Bは、紀元前1375年頃からクレタ(Crete)島で初めて出現する文字で、20世紀中期になってようやく解読された。

 今回の新発見で、「同地域の政治、行政、経済、社会的な組織」に関するさらなる研究が可能になるとともに「ミケーネ文明の人々の信仰と言語の体系に関する新たな情報」がもたらされると文化省は指摘。また、今年実施された考古学的発掘調査が150回以上に上っていることに言及しながら、「同国の考古学的財産と文化遺産の重要性を浮き彫りにしている」と説明した。(c)AFP