【9月4日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2015)は3日、男女シングルス2回戦が行われ、男子の部で大会第28シードのジャック・ソック(Jack Sock、米国)は熱中症の症状を起こし、途中棄権に終わった。

 気温33度の暑さのなかで倒れたソックを含め、今大会で試合を途中棄権した男子選手は、四大大会(グランドスラム)史上最多となる12人に達した。

 22歳のソックは、ベルギーのルーベン・ベーメルマンス(Ruben Bemelmans)と対戦し、6-4、6-4、3-6、1-2とリードしていたが、そこでけいれんが始まり、棄権を余儀なくされた。

 コートに倒れたソックは、その場で大会の医療スタッフから氷や冷えたタオルを当てられ、治療を受けると、最後はスタッフの手を借りながらグランドスタンドを後にした。

 今年の大会は、連日30度以上の暑さのなかで試合が行われており、途中棄権した男子選手は、ソックが11人目だった。

 そしてこのわずか数時間後、7番コートでプレーしていたウズベキスタンのデニス・イストミン(Denis Istomin)が、第20シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)との対戦中、4-6、4-6、0-1となったところで棄権を申し出たため、その人数は12人に増えた。

 女子選手も1回戦ですでに2人が棄権しており、今大会を棄権した男女選手の合計は14人にのぼっている。

 会場となる米ニューヨーク(New York)のフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows)は、1週間続けて気温が30度を超えており、また3日は湿度も40パーセントを記録してとりわけ蒸し暑かった。

 棄権者続出の事態に、最大で5セットを戦う可能性がある男子の試合でも、女子と同じように選手を守るための措置が取られるべきではないかとの意見が再び出始めている。

 女子テニス協会(WTA)は、試合中の気温が30.1度以上になった場合、第2セットと第3セットの間に10分間の休憩を設けることを認めている。

 ソックは試合後、体調は回復したと話し、9月下旬に行われる国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2015)ワールドグループ・プレーオフ、敵地タシケント(Tashkent)でのウズベキスタン戦出場へ意欲を見せた。

 ソックは声明を発表し、「全米オープンでのプレーは、僕にとってシーズンで最も大きく、最も大切なことだったので、今日、試合を棄権しなくてはならなかったのは本当に残念でした」と話した。

「支えてくださったみなさんに感謝します。そして来年、またここに戻ってくるのを心待ちにしています。今は体調も良くなって、デビスカップでのプレーを楽しみにしています」

 対戦相手のベーメルマンスも、ソックの気持ちはわかると話した。

「悲しいよ。最初の2セット、彼はすごくいいプレーをしていたからね。僕もデビスカップで同じ経験をしたことがある。いい気分じゃなかった」

(c)AFP/Dave JAMES