【8月25日 AFP】一連の汚職問題に揺れる国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は24日、自らの潔白を主張し、組織ぐるみの腐敗は一切なかったと否定した。

 FIFAで収賄と汚職の2つの疑惑が渦巻く中、ブラッター会長は来年2月に退任することが決まっている。

 1998年からFIFAの会長を務めているブラッター氏は、今年5月に5選を果たした。しかし、その直後に汚職スキャンダルが一気に表面化すると、サッカー界に激震が走った。

 ところが、79歳のブラッター会長はこれまで断固として自らの非は認めず、FIFAは複数の詐欺師によって失墜させられたと主張している。

 ブラッター会長は英国放送協会(BBC)に対し、「私は自分が行ってきたこと、やっていないことを分かっている。私は誠実で正直な人間だ。私は潔白であり、疑わしい人間ではない」と述べている。

「FIFAを守りたい一心で行動してきた。私は自分で身を守ることができるし、その強さを十分に持っている」

 ブラッター会長はまた、FIFAは中枢から腐敗しているのではと問われると、「それは真実ではなく、作り話だ」と反論した。

「この機関は腐敗していないし、サッカーに腐敗などない。腐敗しているのは個人であって、組織全体が腐敗しているのではない」

「問題は人材にあり、FIFAという機関が腐敗しているのではない。FIFAにいる人、もしくは関係者に問題があるのかもしれない」

「われわれは2011年から改革を進めており、機関に問題があるのではない。だからなぜ世界中のメディアがFIFAが腐敗していると言っているのか、理解できない」

「フィールド上にはルールがあり、審判もいるので、すべての選手を統率するのは簡単だ。しかし、フィールド外では難しい」

「誰が3億人を直接統率できる?間接的に16億人?それは不可能だ」

 ブラッター会長はさらに、同僚の不正行為を暴けなかった理由を問われると、「FIFAの問題は、理事会の構造にある」と自らを擁護した。

「理事会は、会長を選ぶ同じ団体が選出するのではない。私が統率している組織は、同じ団体が選んだ人物ではなく、各大陸連盟で選出された理事で成り立っている」

「だから私が率いなければならないのは、私自身が選んだ人材ではない。それなのに、私が彼らの道徳的責任者になるべきなのか?無理だ」

「自分にできることは、問題を繰り返さないためのハードルを幾つか設置することだけだ。私は、人の行為について道徳的責任は負えない」

(c)AFP