【7月30日 AFP】米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)が昨年掲載した後に撤回した大学キャンパスでの集団レイプ疑惑をめぐる記事で、名指しされた米バージニア大学(University of Virginia)の男子学生友愛クラブに所属していた卒業生らが、名誉毀損(きそん)で同誌を提訴した。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が29日、報じた。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、バージニア大卒業生で友愛クラブ「ファイ・キャッパ・サイ(Phi Kappa Psi)」元会員の3人は、記事によって「壊滅的な影響」を受けたとして同誌を提訴。うち1人は、記事の中でレイプ犯の疑惑をかけられたのが自分であることを、友人や家族たちに特定されてしまったと主張している。

 問題の記事は、「大学構内でのレイプ」との見出しで昨年11月に掲載されたもので、ファイ・キャッパ・サイの会館で集団レイプ被害を受けたという新入生「ジャッキー」の証言を基にしていた。だが記事の内容に事実と食い違うものが含まれていたことや、同誌の報道と編集の方法に問題があったとの米コロンビア大学(Columbia University)による調査結果を受け、同誌は記事を撤回して謝罪した。

 ニューヨーク・タイムズ紙はさらに、この記事の監督役だったウィル・ダナ(Will Dana)編集長がローリング・ストーン誌を退職することが決まったと報じている。同誌は今年5月にも、バージニア大の副学部長によって名誉毀損で750万ドル(約9億3000万円)の損害賠償を求める訴訟を起こされていた。(c)AFP