【7月19日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)北方のカーンバニサード(Khan Bani Saad)の市場で17日に発生した大規模な自爆攻撃の死者は、少なくとも90人に達した。死者の中には子ども15人が含まれている。救助隊は18日も倒壊したビルの内部で遺体の収容活動を行った。

 自爆攻撃は、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の終わりを祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」を迎える直前に発生し、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が犯行声明を出した。

 自分の車両を使って爆発後に発生した火災を消し止める手助けをした市当局の道路清掃車の運転手ムタンナ・サードゥン(Muthanna Saadoun)さん(25)は、「救急車や消防車が現場に近づけなかったので、車の中で焼死した人もいた」と語った。

 ISの犯行声明によると、自爆攻撃に使われた自動車には約3トンの爆発物が積まれていた。爆発で同市中央部アル・カーン(Al-Khan)地区の大通りには直径約5メートル、深さ約2メートルの穴が開いた。

 市当局の幹部がAFPに語ったところによると、17日の自爆事件で現在までに90人が死亡、120人が負傷し、17~20人が行方不明になっているという。

 イード・アル・フィトルは、イスラム教スンニ派(Sunni)では17日の金曜日に始まったが、イラクで多数を占めるイスラム教シーア派(Shiite)では翌18日の土曜日に始まった。イード・アル・フィトルの数日前になると、市場は食料や衣服を買い求める家族連れでにぎわいをみせる。

 カーンバニサードはイラクのディヤラ(Diyala)州に位置し、バグダッド北郊からわずか20キロしか離れていない。住民の多くはシーア派だが、スンニ派の住民もいる。(c)AFP/Karim Abou Merhi