第1回大会から変わった種目まで―IOCに眠る五輪の歴史
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■貴重な資料の数々
アーキビストはまず、修復可能な資料を特定する作業から開始したが、これには10万時間を要することが予想された。
しかし、チームはその中で今まで公開されたことがない写真を発見した。
1900年パリ大会で撮影されたエッフェル塔(Eiffel Tower)のトラッキング・ショット(移動ショット)や、1896年のアテネ大会でマラソン競技を制したスピリドン・ルイス(Spyridon Louis)が、歓喜しながら走る映像などが残っていたのだ。
IOCは、スイス、フランス、カナダ、米国、タイの専門家と共に、これらの資料を整理、修復した。
ローレンス氏は、「毎日、40~125枚の写真と15~20時間の録音・録画を処理しました」と語る。
中には特別な注意が必要な資料もあり、16ミリと35ミリフィルムで撮影された400時間に及ぶ映像は、次の100年を生き延びるために、新たなフィルムに焼き直す必要があった。
2012年終わり、資料が保存されていたIOCの地下倉庫が暴風雨による浸水の被害に遭い、プロジェクトの行く末が懸念された。
しかし、頑丈な金庫が資料を水害から守り、修復作業は続けられたのだった。