【7月17日 AFP】薬物違反のため、ツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇の記録などをはく奪され、自転車競技から永久追放処分を受けているランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が16日、違反を認めてから初めてツールの舞台へ戻った。

 アームストロング氏はこの日、がん基金の慈善活動として、17日に大会参加選手が走る予定の第13ステージ(ミュレからロデーズ、198キロメートル)を走行した。43歳のアームストロング氏は、自身もがんの闘病経験がある。

 アームストロング氏のこの行動は、競技関係者から「非礼」との烙印を押されているが、本人は「きちんとした理由」があってのことで、「まわりからどう思われようと」精力を注ぐと強調した。

 件のがん基金は、白血病を克服したサッカー元イングランド代表のジェフ・トーマス(Geoff Thomas)氏が発起人となったもので、今回の活動には同氏のほか10人のアマチュアサイクリストが参加。主に活動によるスポンサー収入で、「100万ポンド(約1億9000万円)前後」を集めることを目指している。

 報道陣に取り囲まれたアームストロング氏だが、いざスタートという段になっても、コースへ出て温かく送り出そうという一般のファンはまったくいなかった。

 しかし、最初の休憩を取った45キロメートル地点の小さな町、ラクゴット・カドゥル(Lacougotte-Cadoul)では、かつての自転車競技界の英雄を見に来たという車いすの若者に声をかけた。

 その後、一行はヴィルフランシュ・ダルビジョワ(Villefranche d'Albigeois)の村で昼食を取った。食事を供した26歳の男性は、「あれだけの有名人と握手できたのは、やっぱりうれしいよ」と話した。

 村に住む53歳の男性も、「彼のやったことはよくないし、私たちもそれを忘れてはならないが、こうして慈善活動のために姿を見せたのはいいことだと思う」と話した。