【7月13日 AFP】求婚を断られたことへの復讐として、アフガニスタンの民兵の男がマムタズさん(20)に酸を浴びせた事件から4年が経過したが、マムタズさんは顔にも心にも傷を負ったままだ。しかもマムタズさんは今も脅迫され、死の恐怖から人目を避けながらの生活を余儀なくされている。

 マムタズさんの苦難には、アフガニスタンを揺るがせている大きな問題すべてが詰め込まれている──多くの女性たちを静かにのみ込む暴力、紛争で荒れ果てた国土に一層の混乱をもたらす反タリバン組織の存在、国民にわずかな安全さえも提供できそうにない機能不全の政府……。

 顔面の傷跡をコバルトブルーのスカーフで覆い、北部クンドゥーズ(Kunduz)州の自宅でAFPの取材に応じたマムタズさんは、結婚の申し出を断ったことに激怒した男が6人の仲間と共に押し入り、酸を振りかざしたあの夜の恐怖を鮮明に語った。「復讐にやって来た彼は、私の髪をつかんで顔に酸をかけた。まるで『さて、これで一体、誰がおまえと結婚するだろうか』とでも言うかのように」

 酸で皮膚が溶け、叫び、もだえ苦しんだ。酸の一部はマムタズさんの母と姉妹にも飛び散った。11年の襲撃事件以降、複数の手術と皮膚移植を受けた。今は襲撃グループによるものとみられる脅迫を受け、隠れるようにして生活することを余儀なくされている。男たちのうち数人は今も逃亡中だ。

 統計は十分にないが、アフガニスタンでは女性の外見を傷つけたり、身体を不自由にさせたりすることを狙った酸による攻撃が多発している。酸を浴びせられる理由は、ヒジャブ(頭髪を覆い隠すスカーフ)の着用を拒否するといった宗教上のささいな違反から、男性からの求愛の拒否にまで至る。