【6月18日 AFP】アフリカ中部チャドの政府は17日、首都で起きた連続自爆攻撃で33人が死亡した事件を受けて、イスラム教徒の女性が着用する顔まで完全に覆うベールやブルカを全土で禁止し、市場からも全て押収して焼却するよう治安当局に命じた。チャドはイスラム教徒が多数を占める。

 15日に首都ヌジャメナ(N'Djamena)で起きた連続自爆攻撃では、隣国ナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の関与が疑われている。ボコ・ハラムは、爆発物を衣服の下に隠し持った女性に自爆攻撃を実行させている。

「ブルカの着用は本日から禁止する。公共の場所や学校だけではなく、国内のあらゆる場所においてだ」とカルズーベ・パイミドゥベ(Kalzeube Pahimi Deubet)首相は述べ、モスクや教会、聖地などで拡散するよう宗教指導者たちに要請した。

 パイミドゥベ首相によると、目の部分だけを見せるタイプの衣服は例外なく「カモフラージュ目的」とみなし、着用する人物がいれば「逮捕して、略式手続で起訴し判決を下す」という。

 15日の連続自爆攻撃では33人が死亡し、100人以上が負傷した。チャドの首都で連続自爆攻撃が起きたのは初めて。(c)AFP