【6月13日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の刑務所に殺人罪で服役していた受刑者2人が先週、脱獄した事件で、同州警察は2人に密かに工具を渡した疑いで12日までに、刑務所に勤務していた51歳の女を逮捕した。

 カナダ国境に近い同州北部にあるクリントン刑務所(Clinton Correctional Facility)で6日未明、房室の壁に電動工具で穴を開け、脱走したとみられるリチャード・マット(Richard Matt)受刑者(49)とデービッド・スウェット(David Sweat)受刑者(35)は現在も逃走中で、刑務所の東に広がる深い森では1週間後の今も、連邦警察から地元警察まで総動員での追跡が続いている。

 脱獄に手を貸した人物を追っていた捜査当局は、2人に「何らかの機器あるいは道具を提供した」として、同刑務所内の衣類を仕立てる作業場に勤務していたジョイス・ミッチェル(Joyce Mitchell)容疑者(51)を、脱獄ほう助などの疑いで逮捕した。CNNが報じた警察関係者の話によると、ミッチェル容疑者が受刑者2人に渡した物の中には、弓のこの刃、ドリル、照明が付いた眼鏡2個などが含まれていた。

 米メディアによれば、同じ刑務所で働いているミッチェル容疑者の夫も関与の可能性を問われ、取り調べを受けている。

 今回、脱獄したマット受刑者は当時76歳の元上司を殺害し遺体を切断した事件で、スウェット受刑者は保安官代理を殺害した事件で有罪となり、服役中だった。(c)AFP/Jennie MATTHEW