【6月3日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が辞意を表明したことを受け、FIFAの主要スポンサー企業は2日、一刻も早い信頼回復に努めるよう求めた。

 米飲料メーカーのコカ・コーラ(Coca-Cola)は声明を発表し、ブラッター会長の決断について「サッカーとファンにとって前向きな一歩になった」と評価した。

「サッカーを愛する人たちの信頼を取り戻すため、早急に具体的な行動を取ることを期待している」

 そしてFIFAのスキャンダル発覚後、スポンサー撤退を示唆していたクレジットカード大手のビザ(Visa)は、再選から数日後にブラッター会長が辞任を発表したことについて、「社会的信用を取り戻すための大きな一歩になる」と支持した一方で、「これからたくさんの仕事が待ち受けている」としている。

 コカ・コーラとビザはFIFAの公式スポンサーを務める企業の一つで、年間約3000万ドル(約37億円)を支払い、FIFA主催の国際試合やイベントなどで販促活動を行う権利を手にしている。

 そのほかのFIFAの公式スポンサーには、独スポーツ用品大手のアディダス(Adidas)、ロシアの国営ガス会社ガスプロム(Gazprom)、韓国の自動車メーカーである現代(ヒュンダイ)自動車(Hyundai Motor)と起亜自動車(Kia Motors)が名を連ねている。

 また、バドワイザー(Budweiser)とマクドナルド(McDonald's)は、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)でスポンサーを務めることになっている。

 アディダスは、FIFA側が「変わること」を約束したとして歓迎する意向を示し、「今回のニュースは、彼らが明確なコンプライアンスの基準を確立し、正しい方向に向かっていく一歩になるだろう」とコメントした。

 2010年からFIFAの自動車部門公式スポンサーを務め、パートーナーシップ契約を2022年まで結んでいる自動車メーカー世界5位のヒュンダイも3日、ブラッター会長の辞意表明を歓迎している。

 スイスのチューリヒ(Zurich)でFIFAの役員7人が逮捕された直後に懸念を表明していたヒュンダイは、ブラッター会長の辞任を受けて声明を発表し、「今回の発表は、最高水準の倫理観を促進するための組織体制構築に向けて、前向きな第一歩になる」とコメントした。

「われわれが世界中のサッカーファンの情熱をサポートし続けていくことに変わりはありません」

(c)AFP