【6月3日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が2日、辞意を表明したなかで、ヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子が、次の会長選に再び立候補する意向であることが分かった。同日、同国サッカー協会幹部が明かした。

 5月29日の会長選では、アリ王子は立候補していたものの途中で辞退し、そのためブラッター会長の5選が決まった。しかしブラッター会長は2日、汚職事件に対する風当たりが強まり、辞意を表明した。

 これを受けて、アリ王子が会長を務めているヨルダンサッカー協会のサラ・サブラ(Sala Sabra)副会長はAFPに対し、「次期会長選に向けて、アリ王子は準備ができている」と語った。

 サブラ副会長によると、アリ王子は「FIFA側から要請があれば、今すぐにでも会長職を引き継げる」としている。

 サブラ副会長はまた、「われわれは現在、FIFA会長職の法的な状況を調査しているところだ」と明かし、「会長職は合法性を失っている」との見解を示した。

「アリ王子には、いつでも会長職を引き継ぐ用意がある。申し出があればね」と繰り返し主張したサブラ副会長は、ブラッター会長辞任の知らせを「大失態」と評している。そして、火中の栗を拾う決断をした王子をたたえた。

 チューリヒ(Zurich)で29日に行われた会長選では、1回目の投票でブラッター会長が133票、アリ王子が73票を獲得したが、ブラッター会長も過半数には届かなかったため、投票は2回目に進むことが決まった。

 その後、投票前にアリ王子が辞退したため、ブラッター会長の5選が決定したが、政権はごく短命に終わった。FIFAの副会長でもあるアリ王子は、選挙戦で、汚職に揺れるFIFAの改革を訴えていた。(c)AFP