【5月19日 AFP】南アフリカの裁判所は18日、オーストラリア出身の元テニス選手ボブ・ヒューイット(Bob Hewitt)被告に対し、1980~90年代に指導していた少女への強姦と暴行の罪で禁錮6年の実刑判決を言い渡した。

 75歳のヒューイット被告は、2013年に3人の女性が訴えた2件の強姦と1件の暴行について無罪を主張していた。

 1960~70年代にダブルスで四大大会(グランドスラム)を全制覇したヒューイット被告は、1992年に国際テニス殿堂(International Tennis Hall of Fame)入りを果たしたが、一連の性的暴行疑惑により除名された。

 バート・バム(Bert Bam)裁判官は、3件の罪それぞれに対して判決を下し、「禁錮6年に処す」と述べた。

「被告は高齢で、事件から長い年月が経過しているとはいえ、正義は貫かれるべきである」

 バム裁判官は同時に、もしヒューイット被告が50歳だったら刑期は20年になったはずだとすると、すべては自業自得だと述べた。

 無表情で判決内容を聞いていたヒューイット被告は、閉廷すると被告席で低くうなだれ、妻の肩に腕を回しながら弁護士に話しかけていた。

 ヒューイット被告はAFPに対して、「何も言うことはない」と低い声で話し、手にはティッシュを握りしめていた。弁護側は、19日に再開される裁判で上訴の道を模索する。(c)AFP/Stephanie Findlay