第1戦を敵地で0-1と落としていたボカは、約6万人のホームサポーターの前で、準々決勝進出に望みをつなぐための戦いに臨んだ。

 リーベルの選手が後半戦に向けてピッチへ戻る際、ボカの一人のサポーター、あるいは複数のサポーターが、ロッカールームとピッチをつなぐ空気で膨らまされたトンネルに化学性の刺激物を放ったとみられている。

 この襲撃により何人かの選手は苦しそうな様子で目元を押さえ、痛みを取るためにチームメートから顔に水をかけられた。

 医師によると、4選手が1度のやけどを負ったという。

 当初の報道ではかけられた物質が唐辛子スプレーと伝えられていたが、アンヘリチ会長は「有毒液体だった」と明かしている。

 検察は映像を基に捜査を行う方針で、やけどを負った選手のジャージーから物質を分析する。また、トンネルも押収されている。

 試合が行われたラ・ボンボネーラ(La Bombonera)には1200人の警察官が動員されたものの、襲撃後に審判団が判断を下すのに1時間以上が費やされたため、スタジアムは無秩序な状態となり、石やボトルを投げ込まれ、約6メートルのフェンスをよじ登ってピッチに侵入するサポーターもいた。

 ダリオ・エレーラ(Dario Herrera)主審が試合の中止を決定すると、数人の選手たちはさらなる襲撃から身を守るため、濡れたタオルを頭にかぶせて小走りにピッチを去った。他の選手は機動隊に守られながらロッカーへ引き返した。

 ボカとリーベルの対戦はサッカー界で最も激しいライバル対決の一つで、サポーターによる暴力行為が試合に影を落とすことが多い。(c)AFP