■「考えるよりも前に行動」

 エリシュクの住民たちがAFPに明かしたところでは、中国当局はウイグル人に対して、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の祈りを妨害したり、一部の集まりを「違法な宗教活動」とみなしたりするなど締め付けを強めており、主張の強いグループの間で反発が高まっていた。断食明けを祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」の準備をしていた女性たちに対して当局が弾圧を加えたことが、抗議行動の引き金となったという。ただ、抗議に参加した人々に、警官隊を襲撃する意図があったかどうかは不明だ。

 豪ラトローブ大学(La Trobe University)のジェームズ・リーボールド(James Leibold)上級講師(民族関係学)は、「北京(Beijing)や上海(Shanghai)で大勢の人々が集まれば、警察は対応に慎重になるだろうし、場合によっては、民衆が不満を吐き出すのをある程度、許すだろう。だが、新疆ウイグル自治区では、政府がテロ対策を進めていることもあり、当局は考えるより前に行動に出る」と説明した。(c)AFP/Benjamin HAAS