【7月30日 AFP】イスラム教徒の少数民族ウイグル人が大半を占める中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で28日に起きた暴徒と警官隊の衝突による死傷者は100人近くに上っていると、亡命ウイグル人団体が30日発表した。

 中国国営メディアは29日夜、同自治区で起きた「テロリストの攻撃」により民間人と襲撃グループ合わせて数十人が死傷したと伝えた。報道は、ナイフやおので武装したグループが警察署や自治区庁舎を襲った後、市街地へ向かったとしている。

 国営新華社(Xinhua)通信は、28日朝に「現場で警官隊が、襲撃グループのメンバー数十人を射殺した」と報じた。死者の内訳については詳しく触れていないが、新疆ウイグル自治区に関する情報は独自に確認することが難しい。新華社は、襲撃は「組織され、計画されたもの」だと報じている。

 一方、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議(World Uyghur CongressWUC)」の広報担当ディルシャット・ラシット(Dilxat Raxit)氏は、死傷者の数は大幅に増えていると語っている。

 Eメールで取材に応じた同氏は現地の情報を引用し「100人近くが死傷している」と述べた。また衝突のきっかけは「中国政府の極端な統治政策に蜂起したウイグル人が武力弾圧された結果、両者に負傷者が出た」と説明した。

 これ以前のラシット氏の情報では、ウイグル人の死者は20人以上、負傷者は10人、武装警察側の負傷者は13人で、67人が逮捕されたとされていた。

 衝突が起きたのは、広大な同自治区の中でもタクラマカン砂漠(Taklamakan Desert)の端に近いカシュガル(Kashi)地区ヤルカンド(Yarkand)県。しかし、AFPの特派員が取材したホテルやレストランのスタッフは、衝突について知らないと答えた。(c)AFP