【5月1日 AFP】カンボジア・シエムレアプ(Siem Reap)州にある、東南アジア最大規模のチョウ類保護施設「バンテアイ・スレイ・チョウ類センター(Banteay Srey Butterfly Centre)」では、地元の住民たちにチョウ類の繁殖方法を指導している。

 カンボジアでは、木材の密輸のために違法な伐採がまん延し、森林地帯が荒廃。その結果、同国に生息する数多くの美しいチョウ類を含め、さまざまな野生生物たちが大きな打撃を受けた。

 貧困の解決を目指して開発を急ぐ同国政府は、政界にパイプを持つ企業に対し、ゴムやサトウキビのプランテーション、水力発電用のダムをつくるためとして、保護区を含めた数十万ヘクタールにおよぶ森林の伐採を許可し、非難を浴びている。

 世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)によると、カンボジアの森林面積は1973年以降で4分の1ほどが失われたという。

 絶滅の危機にある種の保護を目指す同センターは地元住民に協力を求め、飼育箱を提供するとともに、在来のチョウ類十数種の見分け方を指導しており、その結果村人たちは、ピークシーズンに月最大150ドル(約1万8000円)を稼ぐことができるという。(c)AFP