【4月30日 AFP】フランス北東部の学校で、黒いロングスカートを着て登校したイスラム教徒の女子生徒(15)が「宗教性を誇示した服装」だとして授業への出席を2度にわたって禁止され、非難の声が起きている。

 この女子生徒は今月、仏北東部シャルルビルメジエール(Charleville-Mezieres)にある学校で、校長から授業への出席を禁止された。女子生徒は体の線を隠したいイスラム教徒の女性が一般的に着用する黒い長いスカートをはいていたが、報道によると、このスカートが校長から「露骨に」宗教的だとみなされたという。

 世俗性を厳格に重んじるフランスの法律では、学校内で特定の宗教への信仰が明らかな格好をすることを禁じている。

 地元教育当局のパトリス・デュト(Patrice Dutot)氏は28日、AFPの取材に「女子生徒は排除されたわけではない。宗教色のない服装に着替えてくるよう言われたが、父親が学校に戻らせなかったようだ」と説明した。この女子生徒は、いつも学校の敷地内に入る前にベールを外していたという。

 フランスでは、学校の世俗性を定めた2004年施行の法律により、イスラム教のベールやユダヤ教のキッパ(男性用の帽子)、キリスト教の大きな十字架などを教育施設内で着用することは全面的に禁止されている。ただし「宗教性を控えめに表すもの」は認められる。

 女子生徒は仏日刊紙アルデネ(L'Ardennais)に対し「ありふれた、とてもシンプルなスカートで、これといって目立つ特徴もない。宗教的な意味なんて全然ない」と語った。

 しかし、地元教育当局は声明で、こうしたスカートを着用することが組織的な「挑発」になる可能性もあると指摘。複数の生徒たちによる抗議行動として行われれば、その後に「ベールをかぶるなどのさらに目につく行動」が続きかねないとして、「教育現場における世俗性の枠組みをしっかりと再確認し、確実に行う必要がある」と述べている。(c)AFP