【2月5日 AFP】フランスのナジャット・バロー・ベルカセム(Najat Vallaud-Belkacem)女性権利相は、女性が男性と同じようにズボンをはきたい場合は地元の警察の許可を得るよう定めた1800年11月17日施行の条例は法的効力を失っていると宣言した。パリの女性は罪に問われることを恐れずにズボンをはけるようになった。

 条例は1892年と1909年に改正され、自転車や馬に乗るときにはズボンをはくことが認められるようになったが、条例自体は残っていた。

 しかし「この条例は女性が男性と同じような服装をすることを禁じることによって、女性が特定の職に就くことを制限する目的があった」と言うバロー・ベルカセム女性権利相は、この条例は現在のフランスの価値観や法律と相いれず、事実上、廃止されていると述べた。

 フランス革命期に、ブルジョアが好んだ膝丈のシルクの半ズボン(キュロット)ではなくズボンをはいた労働者らは「サンキュロット」と呼ばれた。この時期にパリの女性たちはズボンをはく権利を求めた。

 フランスでは現在も女性の服装が熱い政治論争を呼ぶことがある。セシル・デュフロ(Cecile Duflot)地域間平等・住宅相(緑の党、37)は昨年5月、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領政権の初閣議にジーンズ姿で出席して批判された。その後デュフロ氏が花柄のサマードレス姿で国民議会(下院)に現れると、やじが飛び、口笛が鳴らされた。

 前週末に国民議会で行われた同性婚関連法案の審議では、服装規定を破ってジーンズを着用した多数の女性議員の姿が見られた。(c)AFP