■装置の特性に合った配信方法を

 ニュース企業の側は、短いニュースやニュース速報を邪魔にならないように読者に届ける方法を開発する必要がある。

 米シカゴ(Chicago)の元新聞編集者で現在はデジタルメディア・コンサルタントとして活動しているアラン・マター(Alan Mutter)氏は、「こういった極めて小さい画面は、スマートフォンに付いている画面の単なる延長線上にはない。消費者がこの装置をどのように使うのか、そして、どうすれば価値あることを提供できるのか良く考えなければならない」と語り、ニュース企業はスマートウオッチのような新しい装置の使い方をクリエーティブに考えなければならないと述べた。

 マター氏は、新着ニュースがあると知らせる振動がひっきりなしに続くようでは煩わしいだろうから、ニュース企業は読者にとってバランスのとれた通知方法を見出す必要があると指摘し、「毎正時に記事の見出しだけを送る機能や、ニュースの要旨を音声で聴くことができる機能などが良いかもしれない。ニュース企業はメディアに合ったコンテンツを作る必要がある」と述べた。

 さらにマター氏は、伝統的なニュース企業がインターネットへの展開に失敗した事例も多いが、モバイル端末やスマートウオッチの出現とともに新たなチャンスが到来したと指摘し、「(ニュース企業は)モバイル端末は単に情報を受けるだけの装置ではないことを理解し、モバイル端末でのプレゼンスを開発していく必要がある。モバイルにきちんと対応できれば、アップルウオッチでも成功できるはずだ」と語った。(c)AFP/Rob Lever