【4月16日 AFP】米首都ワシントン(Washington D.C.)で15日、政治腐敗に抗議する男が、小型ヘリコプターに似たオートジャイロを飛行禁止区域内で操縦し、連邦議会議事堂の敷地内の庭に違法に着陸させる騒ぎがあった。観光客らもいた現場周辺は一時騒然となり、警察は直ちに捜査に乗り出した。

 議会警察の関係者はAFPに対し、「議会警察は1人の身柄を拘束、周辺域の道路を一時封鎖し、捜査を継続している」と話した。爆弾処理班が出動し、議事堂から数百メートルの場所に着陸したオートジャイロを調べたが、危険物は発見されなかった。

 地方紙タンパベイ・タイムズ(Tampa Bay Times)は問題のオートジャイロが飛び立つ前に、操縦していた男に話を聞き動画も撮影していた。同紙によると、男はフロリダ(Florida)州在住で、今回は選挙資金改革を求めて市民的不服従運動を行うと話していたという。

 ワシントンのホワイトハウス(White House)や議事堂など有名建造物付近の上空の飛行は厳しく制限されている。議事堂では当時、535人の議員が会議を行っていた他、訪米中のイラクのハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相が上院議員らと会合していた。

 タンパベイ・タイムズ紙は男を61歳のダグ・ヒューズ(Doug Hughes)容疑者と伝えている。同容疑者は、「私は改革を要求し、(トーマス・)ジェファソン(Thomas Jefferson)大統領が独立宣言に記した権利に一致する形で、一有権者の反抗をここに宣言する」とした手紙を全議員535人に宛てて書き、機内に持参していた。

 ヒューズ容疑者は郵便配達員とされ、小型ヘリの尾翼には米国郵政公社(US Postal ServiceUSPS)のロゴらしきものが見えていた。(c)AFP