【4月9日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に拉致され、8か月間にわたり拘束されていたイラクのクルド系少数派、ヤジディー(Yazidi)教徒200人以上が解放され、8日にクルディスタン(Kurdistan)地域の安全な地区に移動した。解放された人たちは、大半が高齢者だった。

 イラク北部クルド人自治区の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)のウェスタ・ラスル(Westa Rasul)少将はAFPに対し、北部キルクーク(Kirkuk)で8日までに「ヤジディー教徒227人を保護した。中には女性や子どもたちもいる」と語った。これらの人たちは、キルクークの北西に位置する北部ニナワ(Nineveh)州で6日に解放され、2日かけてクルド人自治区に到着した。

 昨年ニナワ州で拘束されたヤジディー教徒たちは、今年1月にも高齢者を中心とする別の約200人が解放されている。今回解放された人々の多くは、ISが昨年8月にヤジディー教徒らの住む北部シンジャル(Sinjar)地域を襲った際、イスラム教への改宗を強いられたとの痛ましい体験談を語った。

 また6人の子を持つアーラム・カセム(Ahlam Qassem)さん(35)は、10代の娘2人と10歳の息子の3人を残し、下の3人の子だけを連れて避難した。「何度も子どもたちを返してほしいと頼んだ。彼らは子どもたちを私から奪い、返してくれなかった。あの子たちがどうなったかは分からない」という。(c)AFP