【4月6日 Relaxnews】スイスアルプス(Swiss Alps)の牧歌的な村の真ん中に欧州一の高層ホテルを建設する計画が持ち上がり、美観を損ねるとの批判が殺到している。

 人口1000人のバルス(Vals)村に2019年開業予定の「7132タワー(7132 Tower)」は、高さ381メートル。温泉とアルプスの景観を楽しもうと訪れる旅行者向けの豪華リゾートホテルで、完成の暁には英ロンドン(London)の「シャード(Shard)」をしのぎ、欧州一の高層ビルの名誉に輝くとうたわれている。

 手掛けるのは米ロサンゼルス(Los Angeles)の建築設計事務所モーフォシス(Morphosis)だ。完成予想図によれば、そびえ立つタワーには天空ラウンジバーやレストラン、客室107室が設けられ、低層区画にカフェや温泉がつくられるという。

 しかし、評判は冷ややかだ。細長くそびえる光輝くタワーは、静かなアルプスの谷間の景観にそぐわない「美観に対する犯罪」だと酷評されている。

 英紙ガーディアン(Guardian)は「のどかな温泉地に巨大なガラス張りの中指を立てるようなもの」だとする論評を掲載。スイス連邦工科大学(Swiss Federal Institute of Technology)で建築学を教えるビットリオ・ランプニャーニ(Vittorio Lampugnani)教授は、スイス紙「20 Minuten」に対し、アルプスに高層建築を建てるという発想は「ばかげている」と一蹴した。(c)Relaxnews/AFPBB News