【4月5日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)に2日、「トランスフォーマー(Transformer)」のような大型の像が出現した。市民の間では手の込んだエープリルフールの冗談ではとの声も聞かれたが、メリヒ・ギョクチェク(Melih Gokcek)市長によって設置されたものだ。

 アンカラ中心部の交通量の多い交差点に設置された金属とポリエステル製の像は、市内に建設されたテーマパークの宣伝目的で置かれたもの。地元の報道によると、このテーマパークについては裁判所が都市計画関連の規則に反するとして差し止め命令を出したにもかかわらず、市長が建設を強行していた。

 人口およそ500万人の同市の市長を1994年から務めているギョクチェク氏は、与党・公正発展党(AKP)に所属。しかし、与党はこのところ内部での意見の隔たりが拡大しており、市長とビュレント・アルンチ(Bulent Arinc)副首相が互いを非難し合う場面もあった。

 トルコの検察当局は先月、市長と副首相に関する捜査を開始。通信社ドーガン(Dogan)が伝えたところによると、検察当局は重罪に対する隠蔽工作と職権乱用の疑いで副首相を、公金横領と職権乱用の疑いで市長を調べている。

 反市長派から「マッド・メリヒ(Mad Melih、いかれたメリヒ、の意味)」のあだ名で呼ばれるギョクチェク氏は有権者らに対し、巨大な恐竜やロボットのレプリカも展示するテーマパークの建設などをはじめとする野心的なプロジェクトの実施を約束。また、「ボスポラス(Bosphorus)海峡をアンカラまで持ってくる」運河の建設も明言している。

 しかし、大きなロボットの像は全てのアンカラ市民に好印象を与えたわけではなかったようだ。ツイッター(Twitter)のあるユーザーは「エープリルフールの冗談が遅れて来たとしか思えない」と投稿した。(c)AFP