【3月23日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」のハッキング部門を名乗るグループが、米軍人100人の氏名と住所だと主張する情報をインターネット上に公開し、支持者らに対し殺害を呼び掛けた。米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」が22日、発表した。米海兵隊はこれを受け、隊員らに「警戒」を呼び掛けた。

 SITEによると、公開された情報には、陸空海軍に所属する軍人の写真と階級などが含まれる。米海兵隊では、標的とされた要員全員を訪問するとともに、オンラインでの情報の取り扱いに注意するよう促したという。

 米海兵隊のジョン・コールドウェル(John Caldwell)中佐は声明で「警戒と部隊防護の配慮は、司令官と兵員にとっての優先事項の1つにすぎない」と述べ、今回の脅迫はまだ「裏付けが取れていない」ものだと説明。一方で、「海兵隊員やその家族は、オンラインやソーシャル(メディア)での足跡をチェックし、閲覧可能な個人情報を制限するプライバシー設定がされているかを確認することを推奨する」と述べた。

 ISのハッカー部門を名乗るグループは、公開した情報は政府のサーバーやデータベース、電子メールから取得したものだと主張している。だが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は国防当局筋の話として、情報の大半は公的な記録として入手が可能なものであり、政府のサーバーに対するハッキングで流出したものではないとみられると報じている。(c)AFP/Jenny VAUGHAN