【3月21日 AFP】チャド軍とニジェール軍がイスラム過激派組織ボコ・ハラム(Boko Haram)から奪還したナイジェリア北東部のダマサク(Damasak)郊外で20日、約100人の遺体が見つかった。チャド陸軍報道官が同日、AFPに明らかにした。

 同報道官よると、兵士たちがダマサクの郊外にある橋の下で遺体を発見したという。ニジェール国境付近の遺体発見現場を自分自身で実際に訪れたという同報道官は「町のすぐ外にある橋の下に約100人の遺体が散らばっていた」と述べるとともに、遺体には斬首されたものや銃撃されたものもあり、「ここに頭部、あそこに胴体が投げ捨てられているという状態で、まるでシロアリの巣のようだった」と話した。

 同報道官は2か月ほど前に虐殺があったのだろうという見方を示して「ボコ・ハラムによる犯行に間違いない」と述べたが、この発言の真偽を証明する他の筋からの情報はない。

 チャド軍とニジェール軍は今月8日にこの地域でボコ・ハラムに対する空と陸からの大規模な掃討作戦を開始し、翌9日にダマサクを奪還した。チャド陸軍筋によると、この掃討作戦で15日にはボコ・ハラムの約200人を殺害し、チャド軍側は兵士10人死亡、20人が負傷したという。

 ナイジェリア陸軍報道官は19日、この掃討作戦は現在ナイジェリア北部のボルノ(Borno)州が位置する地域に実在した13世紀の支配者の名にちなんで「『マイ・ドゥナマ(Mai Dounama)作戦』と呼ばれている」と話した。

 ボコ・ハラムは昨年11月24日にダマサクを制圧し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、約50人が殺害され、約3000人が避難を余儀なくされていた。(c)AFP