【3月10日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が昨年のウクライナのクリミア(Crimea)半島併合について語るドキュメンタリー番組の予告編が9日、公開された。この中でプーチン大統領は、クリミア併合の決断は、ロシア系が多数を占める現地住民を守る必要に迫られたことが理由だったと述べた。

「故郷へ」と題されたこの新作ドキュメンタリー番組の予告編は、国営ロシア1(Rossiya 1)テレビで放映された。プーチン大統領は、ロシア軍によるクリミア占領・併合は住民を救うための作戦だったとの見解を示した。「クリミアとそこに住む人々を見捨て、民族主義者らによって押しつぶされるがままにすることはできなかったため、ロシアへの返還に向けた取り組みを始めるほかなかった」と述べた。

 その際、最初に行ったのが、地元住民の意向を知るため世論調査の実施を命じたことだった。その結果、75%がロシア編入を支持したという。プーチン大統領は同時に、クリミア併合の決定は、ウクライナで当時の政権が崩壊し、親欧米の民族主義的な新政権が誕生した後に下されたものだと強調した。

 プーチン大統領は「これ(クリミア併合)が近づくにつれ、この歴史的出来事の実現を望む人の数はさらに増えることは明らかだった」と述べ、もしクリミアの住民が「あくまでウクライナ内での」自治権の拡大を望んでいたならば「そうさせていた」だろうと主張した。(c)AFP/Anna MALPAS