【3月6日 AFP】男性のほうが女性よりもナルシシズム(自己愛)の傾向が強いとの研究結果を、米ニューヨーク州立大学バッファロー校の経営管理大学院(University at Buffalo School of Management)が5日、発表した。

 研究では30年にわたり47万5000人以上のデータを分析した。この傾向は年代や世代を問わず同じで、良い面と悪い面の両方があると、研究チームは指摘している。

 研究を主導した組織・人材学部のエミリー・グリジャルバ(Emily Grijalva)助教は、「ナルシシズムにはさまざまな自己愛性パーソナリティー障害との関連があり、良好な人間関係を持続できなかったり、倫理に反する行動をしたり、攻撃的傾向が強かったりする」と説明した上で「同時に、自尊心を高める、感情的に安定する、リーダーシップを発揮するといったプラスの面もある」と述べた。

 研究チームは、355点を超える学術記事、研究論文、草稿、技術マニュアルなどを分析し、ナルシシズムにおける性差を「リーダーシップ・支配力」「尊大さ・自己顕示癖」「特権意識」の3点から比較した。

 その結果、男女差が最も大きかったのは「特権意識」で、男性は女性に比べて自分には特別な権利が認められていると考えがちで、他人を自己の目的のために利用する傾向が強いことが示唆された。

 この研究は、アメリカ心理学会(American Psychological AssociationAPA)が発行する「心理学紀要(Psychological Bulletin)」最新号に掲載される。(c)AFP