【2月20日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)に本拠を置く非営利団体「ラブ・コマンドス(Love Commandos)」は、家族に逆らって命がけで駆け落ちしてきたカップルを支援する組織だ。

 同団体は、元ジャーナリストのサンジョイ・サチデフ(Sanjoy Sachdev)氏が、結婚を望んでいた女性の家族からレイプの嫌疑をかけられた若者を支援した後、同氏の発案で2010年に創設された。

 それ以来、保守的な社会のインドで、数千人のカップルに安全な避難場所と法的な助言を提供し、援助の手をさしのべてきたラブ・コマンドスは現在、ニューデリー市内で7軒のアパートを運営し、さらに、駆け落ちしたカップルを一時的に受け入れてくれる300組のカップルの支援者がいるという。

「14か月滞在するカップルもいれば14時間だけの場合もある」とサチデフ氏は説明する。

 家族や友達だけを失っただけでなく、先生になるという夢を実現するために必要な勉強もあきらめ、愛した男性と結婚するために両親が暮らす実家から逃げ出したバンダナさん(22)も、同団体の保護施設で7月に結婚した夫と一緒にかくまわれている。

 同国の若い女性の多くがそうであるように、バンダナさんは両親が選んだ相手と結婚するはずだったが、ディリップさんとの関係が露見すると両親は激怒し、経営学と会計学を学んでいた大学に通うのをやめさせ、急いで親戚の男性との結婚の準備を整えた。

 これが最後の決め手となり、バンダナさんは結婚式前日に家を飛び出した。

 アパートからめったに外出しないというバンダナさんは、ラブ・コマンドスが用意した質素な一室で、ディリップさんの傍らに座ってAFPの取材に応じ、「家を出て以来、両親にも友達にも電話をしていない。将来私は先生になりたいし、夫はビジネスを始めたい。でもいつ実現するのか分からないわ」と語った。