■ドーピングの根源には「強欲さ」

 ケニア当局は、ドーピング問題に対して積極的に解決する姿勢をみせていないとして、批判を受けているものの、不道徳な代理人がケニア出身の選手を「不正」に導いていると主張している。

 AKのアイザイア・キプラガト(Isaiah Kiplagat)会長は、ドーピング違反を犯した選手の代理人や監督に対し、当局が資格停止処分も辞さない構えだと厳重注意している。

 キプラガト会長は、このセミナーに集まった30社以上のエージェントに対し、「ドーピング問題により、ケニアのイメージはひどく傷つけられた」と厳しい言葉を発した。

「あなた方が代理人を務める選手のうち、3~4人が違反を犯したら、即時帰国していただきます。われわれと関わることも二度とないでしょう」

 グローバル・スポーツ・コミュニケーションズ(Global Sports Communications)社で代理人を務めるオランダ出身のジョス・ヘルメンス(Jos Hermens)氏は、ドーピングの根源にあるのは強欲さだとしている。

「30年間この業界で働いていますが、なぜケニアのような国でドーピングをさせようと思うのか分からない」

「これまでもこれからも、最高のアスリートがいるのに、どうしてでしょう?こういう人たちは強欲で、金のためなら何でもするのです」

 ケニアは、中国やノルウェーの機関、世界反ドーピング機関(WADA)と共に、選手を取り締まるための新たな反ドーピング機関を設立した。(c)AFP/Ailéen KIMUTAI