【2月6日 AFP】アルペンスキー世界選手権2015(2015 FIS Alpine World Ski Championships)は5日、米コロラド(Colorado)州ビーバークリーク(Beaver Creek)で男子スーパー大回転が行われ、オーストリアのハンネス・ライヘルト(Hannes Reichelt)が同大会で自身初となる金メダルに輝いた。

 銀メダルはカナダのダスティン・クック(Dustin Cook)、銅メダルはフランスのアドリアン・トー(Adrien Theaux)が獲得している。

 ライヘルトは、ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘン(Garmisch-Partenkirchen)で開催された2011年大会の銀メダルに続く栄冠を手に入れた。

 一方、米国のスーパースターであるボーディー・ミラー(Bode Miller)は、転倒して脚を負傷するアクシデントに見舞われ、失意の結果となってしまった。

 W杯では参戦13年目を迎えているライヘルトは、バーズオブプレイ(Birds of Prey)コースを1分15秒68で滑りきり、ビーバークリーク(Beaver Creek)で開催されたこの種目で2連勝を果たしてる。ライヘルトは、2005年にキャリア初勝利を飾った同地で、昨年12月に行われたW杯男子スーパー大回転第2戦を制している。

 悪天候で一日延期されて行われた今回のレースでは、クックがライヘルトに0.11秒差の1分15秒79で2位につけ、トーが1分15秒92で表彰台に最後の一角に上った。

 今季のW杯同種目では、現在ライヘルトが合計207ポイントで3位につけている一方で、チェーティル・ヤンスルード(Kjetil Jansrud、ノルウェー)が合計316ポイントで首位、ドミニク・パリス(Dominik Paris、イタリア)が合計285ポイントで2位につけている。

 今月11日に26歳の誕生日を迎えるクックは、28番手からの滑走で驚きの銀メダリストとなった。クックがトップ10以内でレースを終えたのは今季はこれが初めてで、ビーバークリークと伊バルガルデナ(Val Gardena)で行われたW杯スーパー大回転の12位が最高成績となっていた。

 3位に入ったトーもまた、今週の練習滑走では17番目のタイムを記録するにとどまっていた。

 一方、優勝候補に挙げられていたヤンスルードとオーストリアのマティアス・マイヤー(Matthias Mayer)は、1分15秒95の同タイムで4位タイに終わっている。

 腰の手術から復帰を果たしていたミラーは、コースの斜面を後ろ向きで転げ落ちて脚を大きく切り、レースを棄権した。

 序盤は最速ペースで滑っていたミラーだったが、時速約100キロのスピードで左腕が旗にぶつかると、体勢をひねったまま斜面を転がり落ちてしまった。米国史上で最も輝かしいスキー選手の一人であるミラーは、37歳115日の年齢で世界選手権個人種目の最年長金メダリストを目指していた。

 ノルウェーのアクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal)も穴馬の一人として世界選手権で今季初めての試合に臨み、けがから復帰して6位に入り大きな飛躍を遂げた。(c)AFP