【2月3日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)は2日、2014年が観測史上最も気温の高い年だったと発表した。「温暖化傾向」をめぐっては、今後も継続することが予想されるという。

 WMOの声明によると、2014年の世界平均気温は、基準とされる1961~90年長期平均の14度を0.57度上回ったという。

 WMOのミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は「これまで気温が高かった年の上位15位中の14位が21世紀になってから記録された」と指摘する。

「2014年には、記録的な暑さに加え、多くの国々で集中豪雨と洪水が発生し、一部の国では干ばつも起きた」と同事務局長は続けた。

 世界の海面温度もまた、史上最高水準に達した。

■「温暖化は続く」

 国連加盟国は来週、温室効果ガス排出を抑制するための世界気候条約に関する会議をスイス・ジュネーブ(Geneva)で開く予定だ。同条約をめぐっては、仏パリ(Paris)での12月の調印を目指している。

 国連は温暖化を産業革命以前の水準から2度未満に抑えるとの目標を設定しているが、科学者らは地球が目標値の約2倍、4度程度の気温上昇に至る道を歩んでいると警鐘を鳴らしている。このシナリオは壊滅的なものになる恐れがある。

 ジャロー事務局長は「大気中の温室効果ガスの水準が上昇を続け、海の熱容量の増加が将来の気温上昇につながることを考慮すると、地球温暖化は今後も継続することが予想される」と述べている。

 世界気温の4度以上の上昇により、壊滅的な干ばつ、洪水、海面上昇、嵐などの発生が予想される他、かつてないほど不足する水などの資源をめぐり紛争が勃発する可能性が高いと科学者らは警告している。(c)AFP