■残虐動画と料理写真のイメージ戦略

「女性をテロリスト予備軍として扱わず被害者とみなすのは、ジェンダー(社会的性差)上の盲点だ」と、女性と過激派対策を専門とする米デューク大学ロースクール(Duke University School of Law)のジェーン・ハッカビー(Jayne Huckerby)准教授は指摘する。

 ハッカビー氏によると、欧米諸国を出ていった女性たちの多くは、疎外感をおぼえ、信仰を実践する自由が規制されていると感じたことが動機となっている。そして、冒険心と新たなイスラム教の理想郷に対する熱狂から、イスラム国に引き寄せられているのだという。

 こうした女性たちの重要な役割は、妻となり母となることに加え、イスラム国における日常生活をソーシャルメディアへの投稿を通じて外の世界に宣伝することだ。女性たちのソーシャルメディアには暴力的な動画と家庭料理の写真が混在している。

「テロリスト集団としてのイスラム国のイメージを弱め、建国の試みだという新しいイメージを売り込む上で、彼女たちは極めて重要なのだ」とハッカビー氏はAFPに語り、こうした女性たちの多くは戦闘への参加もいとわないと指摘した。(c)AFP/Alice RITCHIE