【1月22日 AFP】イエメンの大統領宮殿を制圧したイスラム教シーア派(Shiite)系の民兵組織は21日、憲法草案の内容で政府側が譲歩するのと引き換えに、制圧した政府庁舎から退去することなど、9項目に及ぶ協定を結ぶことでアブドラボ・マンスール・ハディ(Abdrabuh Mansur Hadi)大統領と合意した。

 国営サバ(Saba)通信によると、シーア派の一派のザイド派(Zaidi)に属する民兵組織「フーシ(Huthis)」(別名:アンサルラ(Ansarullah))は、同組織が20日に制圧した大統領宮殿からの退去と、拘束している大統領首席補佐官の解放に同意。協定には、他の関係勢力も同意した。

 引き換えに、フーシが反対していたイエメンを6つの連邦地域に分割する憲法草案の「修正が可能」となったという。協定では「憲法草案はすべての派により合意されるべきだ」、イエメンは「国内対話の結果に従い、連邦国家となる」とされている。

 イエメンでは、2012年に当時のアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領が民衆蜂起によって退陣に追い込まれた際、国連(UN)の取り決めによって国内対話が開かれた。イエメンの連邦国家化はこの対話による結論の一つだった。

 協定ではさらに、現行政権に不満を抱くフーシなどの各派に対し、平等に政府内のポストを与えることも定められている。(c)AFP