【1月16日 AFP】2015アフリカネイションズカップ(2015 The Africa Cup of Nations)を開催する赤道ギニアで15日、野党が結成した反対派が同国の人権をめぐる状況を訴え、地元住人に対して観戦をボイコットするように求めた。

 反対派は、大会を2日後に控えて声明文を出し、「アフリカネイションズカップの期間中、市民にはサッカースタジアムに行かないよう求める。大会は、われわれの貧困と奴隷化を助長するものだ」と述べた。

 同国の社会民主連合(CPDS)をはじめとした3つの政党によって立ち上げられた反対派は、議会の議員が1人しかおらず、この要請によって政治的な摩擦を生じさせる期待はほとんど薄い。  

 赤道ギニアでは、独裁的指導者であるテオドロ・オビアン・ヌゲマ・ムバソゴ(Teodoro Obiang Nguema Mubasogo)大統領が、2009年に95パーセントの得票率で再選された。

 反対派はまた、大会に抗議して第2の都市バタ(Bata)で拘束されている2人の即時解放も訴え、「言論の自由が存在していない。現存しているメディアは、(与党の)赤道ギニア民主党(PDGE)のためだけに記事を掲載しており、大統領は反対派のウェブサイトや同氏を批判する者を排除している」と主張した。

 当初の開催予定国はモロッコだったが、シエラレオネ、リベリア、ギニアをはじめ8000人を死に至らしめたエボラ出血熱が流行するリスクを回避するため、アフリカサッカー連盟(CAF)に大会の延期を求めていた。

 しかしながら、その要請は却下され、モロッコは開催権と出場資格を剥奪された。

 赤道ギニア政府は、エボラ出血熱が同国の地にまん延するのを阻止するために、キューバから専門の医師団を雇用するなどの対策を取っている。しかし、元スペイン植民地で人口はわずか70万人以上の同国で開催される今大会では、ほとんどの試合ががら空き状態の観客席の前で行われることになるとみられている。

 赤道ギニアは、2012年大会を隣国ガボンと共同開催した実績を持っているものの、サッカーが盛んな国ではない。(c)AFP