【12月20日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は19日に公開されたインタビューで、南米ベネズエラとの戦争の可能性を示唆した。米国は海上封鎖措置を取るなど、ベネズエラへの圧力を強めている。

トランプ氏は18日に実施されたのNBCニュースとの電話インタビューで、ベネズエラとの戦争の可能性について「排除しない」と述べた。

トランプ氏は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を追放するつもりかどうかについても明言を避け、「彼は私が何を望んでいるのかをよく分かっている」「彼が誰よりもよく分かっている」と述べた。

独裁主義者で左派のマドゥロ氏は、米国がベネズエラの政権交代を望んでいると主張している。

米軍は先週、ベネズエラを出港した石油タンカーを拿捕(だほ)したが、トランプ氏はこうした石油タンカーの拿捕を今後も実施する意向を示した。

トランプ氏はここ数か月、カリブ海で米軍のプレゼンスを大幅に強化しているが、ベネズエラに対する同氏の最終的な狙いについて、世界は臆測をめぐらせている。

トランプ氏はマドゥロ氏を麻薬組織(カルテル)を運営する「麻薬テロリスト」だと非難しており、米軍は9月以降、「麻薬密輸船」への攻撃を繰り返し、100人以上を殺害している。さらに、数週間前から麻薬密売人に対する地上への攻撃を「間もなく」始めるとも述べている。

だが、トランプ氏は今週、ベネズエラの石油に重点を移した。ベネズエラは石油の確認埋蔵量で世界最大となっている。

トランプ氏は17日、ベネズエラを出入りする制裁対象の石油タンカーの封鎖を発表した際、ベネズエラが米国の石油を「奪った」と非難。「彼らはそれほど遠くない昔、われわれのエネルギー権益と石油をすべて奪った。それを取り戻したい」と述べた。

ベネズエラによる石油産業の国有化を指したものとみられる。(c)AFP