【1月13日 AFP】仏パリ(Paris)のユダヤ系食料品店襲撃事件で人質となり救出された女性が12日、店内で4時間にわたって続いた惨劇を語った。

 名字を明かさずソフィーとのみ名乗るこの女性は、仏ラジオ「ヨーロッパ1(Europe 1)」のインタビューに対し、ある人質の男性がアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者が置いた銃を奪おうとした直後に射殺された際の様子を、次のように語った。

「ある青年がアサルトライフルを奪って彼(クリバリ容疑者)を撃とうとしたが、向こうの動きの方がすばやく、青年は首を撃たれた。気の毒なこの青年は倒れこんだ」

 また、クリバリ容疑者は別の人質に対しても、容赦なく銃弾を撃ち込んだという。「ある男性が立ち去ろうとしたところ、背後から撃たれた」

 ソフィーさんは、9日午後1時(日本時間同9時)ごろ、買い物のために事件現場となったパリ東部ポルトドバンセンヌ(Porte de Vincennes)の店を訪れ、入り口の地面に横たわっていた犠牲者の遺体に出くわした。

「何が起きたか気づき顔を上げると、テロリストがそこにいて『こっちに来い、今すぐ!』と命令された」とソフィーさんは当時を振り返った。「後戻りはできなかった。入り口付近に入ってしまっていたので、店内に向かうしかなかった」「まるで出来の悪い映画の登場人物になった気分だった」