■若手の台頭

 グランツール以外に目を向けると、新たな時代の幕開けが訪れている。

 ファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara)は、忍耐強く、優れた走りを披露すると、頃合いを見計らった仕掛けで自身3度目となるツール・デ・フランドル(2014 Tour des Flandres)優勝を飾った。

 しかし、1週間後の第112回パリ~ルーベ(112th Paris Roubaix)ではカンチェラーラとトム・ボーネン(Tom Boonen)がニキ・テルプストラ(Niki Terpstra)の前に敗れ去った。

 そんな中、ツール・デ・フランドルで5位に入ったアレクサンダー・クリストフ(Alexander Kristoff)やパリ・ルーベで2位に入ったヨーン・デーゲンコルプ(John Degenkolb)の出現は、ベテラン選手を追いやり始めていることを示している。

 フィリップ・ジルベール(Philippe Gilbert)が第49回アムステルゴールドレース(49th Amstel Gold Race)で、アレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde)が第78回フレッシュ・ワロンヌ(78th Fleche Wallonne)で、サイモン・ゲランス(Simon Gerrans)が第100回リエージュ~バストーニュ~リエージュ(100th Liege-Bastogne-Liege)でそれぞれ優勝を飾ったものの、アルデンヌ・クラシック(Ardennes Classics)でもその傾向は続いた。

 ミハウ・クフィアトコフスキー(Michal Kwiatkowski)が3大会すべてで5番手以内に入り、2大会で表彰台に登ると、ダニエル・マーティン(Daniel Martin)がフレッシュ・ワロンヌで、ジェリ・ヴァネンデール(Jelle Vanendert)がアムステルゴールドレースでそれぞれ2位に入り、若手が台頭した。

 マーティンはリエージュ~バストーニュ~リエージュで2連覇を目前としていたものの、勝利を目指してスピードを上げる中、最終コーナーで転倒した。

 その結果の中で最も自信を手にしたクフィアトコフスキーは、9月にはUCIロード世界選手権大会(2014 UCI Road World Championships)のエリート男子ロードレースで王座を獲得した。