【12月20日 AFP】中国の国営メディアは20日、米映画製作大手ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)がサイバー攻撃を受けたことを理由に公開を中止した新作コメディー映画『The Interview(ザ・インタビュー)』について、米国の「文化に関する無分別な傲慢(ごうまん)さ」を表すものだと批判した。

 中国国営英字紙・環球時報(Global Times)は、米国の映画会社が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記をあざけるような映画を制作したことは誤りだと非難。論説の中で、「敵国の指導者を笑いものにするこの映画は、ハリウッド(Hollywood)にとっても、米社会にとっても誇れるようなものではない。自国の指導者を批判したり、からかったりしても許される米国民は、他国の指導者にも一撃を食わせることができると考えている。米社会が北朝鮮や金第1書記をどうみていようと、金氏が指導者であることに変わりはなく、その人に対する悪意を込めたあざけりは、文化的に無分別な傲慢さがもたらすものに他ならない」と述べた。

 ソニーは北朝鮮と関連があるとされるハッカー集団から脅迫を受けており、その中で2001年9月11日の米同時多発テロへの言及があったことから、映画の劇場公開を中止した。

 中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の同紙はまた、米国は中国に対して「攻撃的になりすぎず、礼儀正しく振る舞うべきだ」と指摘。さらに、「中国市場は今や、米映画産業にとっては金脈。中国人の観客を増やすことを唯一の目的に、ハリウッドはますます友好的な顔を見せるようになっている」と皮肉った。(c)AFP