【12月3日 AFP】(一部更新)米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は2日、AFPに対し、イランのF4ファントム(Phantoms)戦闘機が最近の数日間にイラク東部でイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対する空爆を行ったと述べた。

 カービー報道官は、「イランが実際にF4ファントムで空爆を行ったことを示す証拠がある」と述べた。

 中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)は最近、イラン空軍のF4戦闘機に似た航空機が、イラク東部のディヤラ(Diyala)州で目標に攻撃を加えている映像を放送していた。

 カービー報道官は先に、「軍事行動についてイランと調整することはないという米国の方針は変わっていない」と述べ、複数の国による軍用機の飛行の監督・調整を行っているのは米軍ではなくイラク政府だと記者会見で話していた。

 イラン軍は、陸上のイスラム教シーア派(Shiite)の民兵組織並びにイラク軍を活発に支援していると伝えられていたが、イランがイスラム国に空爆をしたと米国が確認したのは今回が初めて。

 イランはスホイ25(Su-25)攻撃機をイラクに提供しているが、これもイラン人が操縦しているのではないかという臆測が広がっている。

 イランがイスラム国を空爆したことが明らかになったことで、イスラム国との戦いの中で「宿敵」だった米国とイランが接近していることが改めて示される形になった。(c)AFP