【11月29日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は28日、ローマ法王として4人目となるトルコ訪問を開始した。フランシスコ法王は、中東にはびこるイスラム過激主義を終わらせるため、宗教間の対話を行うよう呼びかけた。

 今回のトルコ訪問は、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」がイラクとシリアで猛威を振るい、少数派キリスト教徒迫害の懸念が深まっている中、異なる宗教・宗派間の橋渡しを試みるフランシスコ法王にとって重要な試金石となる。トルコでは、イスラム教信者7500万人に対し、キリスト教信者は8万人のみだ。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領との会談後に法王は、「異なる宗教、異なる文化の間の対話は…あらゆる形の原理主義やテロリズムに終止符を打つ上で重要な貢献をなし得る」と述べた。「全ての市民、イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒が、法の定めと実践において、同じ権利を持ち、同じ義務を果たすことが不可欠だ」

 首都アンカラ(Ankara)郊外に建てられ、豪華すぎるのではないかと論争を呼んでいる新しい大統領宮殿に初めて国外から要人を迎えたエルドアン大統領は、「深刻なイスラム恐怖症が急速に広がっている。不寛容や人種などによる差別という地球を抑圧する脅威に対し、共に取り組まなければならない」 と述べ、世界で増大するイスラム教への嫌悪について強い調子で警告した。

 エルドアン大統領はまた、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の「国家テロ」や、イスラエル政府のパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)爆撃などに対し国際社会が「単に傍観者でいる」ことを、怒りを込めて非難した。(c)AFP/Fulya OZERKAN, Jean-Louis DE LA VAISSIERE