警察の採用試験で「処女検査」人権団体が非難、インドネシア
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【11月19日 AFP】世界最大のイスラム教国であるインドネシアの国家警察が採用試験の際に、女性受験者に対し行っている「処女検査」は危険で屈辱的だとして、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch、HRW)が検査の撤廃を要求した。
HRWによれば、インドネシア国家警察では採用試験の際に女性の受験資格として未婚であることと性交経験がないことを条件としており、警察上層部が撤廃したと強く主張している「処女検査」が依然として広く行われている。
今年を含め最近この採用試験を受験した若い女性たちは、HRWによる聞き取り調査に対し、心身ともに痛手を負う検査の実態について語った。女性医師の前で服を脱ぐよう指示された受験者は、検査として膣に医師の指2本を入れられるという。
HRWは、こうした検査方法は時代遅れで信頼性がないと指摘している。また採用に関するインドネシア警察自らの内規にも違反する上、国際条約で定められている平等や差別、プライバシーに関する人権を侵害するものだと非難している。
インドネシア国家警察のロニー・ソンピー(Ronny Sompie)広報担当は「総合的な健康診断」は全受験者に行っており、当局としては受験者が性感染症にかかっていないことを確認したいと述べ、女性受験者に性交経験があっても失格要件とはならないと述べた。
しかしHRWは、警察のウェブサイトの今月の掲載書面に、性交経験がないことが女性受験者の受験資格だと記されていたと反論している。
自らが女性であるインドネシア国家警察のスリ・ルミアティ(Sri Rumiati)氏はHRWに対し、2010年に警察内部でこの検査の撤廃を要求した際に、他の幹部らから「売春婦を警察に入れる気か?」と詰め寄られたと明かした。
HRWによると、40万人が所属するインドネシア国家警察の中で女性警官は約3%だが、警察では女性警官を増やす方針を示しているという。(c)AFP