【11月18日 AFP】トルコの報道によると、自分の女きょうだいの交際相手を生き埋めにして殺害した容疑で、17日までに18歳の青年が逮捕された。

 報道によると、警察に出頭したアキン・トクデニル(Akin Tokdenir)容疑者はすぐに、オヌル・サンダル(Onur Sandal)さん(16)の殺害を自供したという。同容疑者の父親であるアフメト・トクデニル(Ahmet Tokdenir)容疑者も後に共犯として逮捕された。

 配管工だったサンダルさんの両親は昨年11月に、息子が行方不明になったことを届け出ていた。今月に入り森林警備隊が、同国西部デニズリ(Denizli)の森に埋められていたサンダルさんの遺体を発見した。

 トルコ紙ヒュリエト(Hurriyet)によると、検視の結果、サンダルさんの遺体には65か所の刺し傷があったほか、鋭器によってできた穴など拷問を受けた痕跡もあった。肺には土が詰まっており、生き埋めにされたとみられている。

 捜査過程で警察が入手したデニズリ付近の住宅街の監視カメラには、この親子にサンダルさんが殴られ、車で連れ去られる様子が写っていた。

 容疑者親子は、サンダルさんが自分の娘と「性的関係」を持ちながら、婚約を拒否したために殺害したと供述している。アフメト容疑者は、殺害を後悔し反省しているが、犯行に及んだのは「家族の名誉の問題」だったからだと話しているという。

 サンダルさんと交際していたアフメト容疑者の娘の氏名や現況などについては公表されておらず、娘が家族から罰を受けたかどうかも分かっていない。

 トルコ政府はここ数年、いわゆる「名誉殺人」の根絶に向けて取り締まりを強化するとともに罰則を強化しているが、保守的なイスラム社会の中ではこうした犯罪が今も頻繁に発生している。被害者の大半は女性だが、男性が対象とされる場合もある。(c)AFP