ベイルのクラシコ欠場、実はレアルに追い風?
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【10月25日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)とFCバルセロナ(FC Barcelona)の伝統の一戦「エル・クラシコ(El Clasico)」は、世界で最もきらびやかなスター選手たちの競演だが、今回の一戦では、その中でも最高級の輝きを放つ選手、レアルのギャレス・ベイル(Gareth Bale)が故障により欠場が予想されている。
昨シーズンの3度のクラシコで、ベイルはなかなか印象を残せなかったが、最後の直接対決となった4月のスペイン国王杯(Copa del Rey 2013-14)決勝では驚異のプレーをみせ、見事な独走ゴールでチームを通算19度目の大会制覇に導いた。
アヤックス(Ajax)のフランク・デ・ブール(Frank de Boer)監督は、21日の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)でチームがバルセロナに敗れた後、クラシコの見通しを聞かれると、「ベイルの欠場はサッカー界にとって痛手だ」と答え、多くのファンの声を代弁している。
しかしレアルはそれから24時間後、ベイルのほかにセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)、ダニエル・カルバハル(Daniel Carvajal Ramos)を欠くなかでリバプール(Liverpool FC)を一蹴し、ワールドクラスの選手が数人欠けても質を維持できる、選手層の厚さをみせつけた。
さらに昨季の国王杯決勝は、レアルのカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督に、ベイルの決勝点の甘美な記憶にとどまらない、確かな手応えを残している。
アンチェロッティ監督はそれまで、バルセロナと約10年間で7度、3つの異なるクラブで対戦し、そのすべてで勝利を味わいそこねていたが、メスタージャ・スタジアム(Mestalla stadium)でその記録に終止符を打った。
また、国王杯ではクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が負傷欠場したため、レアルは基本の布陣である4-3-3と、ロナウド、ベイル、カリム・ベンゼマ(Karim Benzema)の豪華3トップが使えず、アンチェロッティ監督は4-4-2を採用している。
レアルは今やスペインメディアで呼び名が定着した「BBCトリオ」のそろったリーグ戦でのクラシコで、バルセロナに2度も完敗を喫している。中盤で数的優位を作れなかったレアルは、バルセロナに試合の主導権を握られ、最前線の3人へのボールの供給を断たれた。
ところが国王杯決勝では、世界最優秀選手のロナウドの欠場がけがの功名となり、イスコ(Isco Alarcon)が中盤に入ってMFが1人増えたことで、アンチェロッティ監督の切望していたチームのバランスが保たれた。