【10月23日 AFP】カナダの首都オタワ(Ottawa)で兵士1人が死亡した22日の銃撃事件で、射殺された容疑者の男が、テロリストの疑いで監視対象となっていたことが分かった。

 カナダメディアによると、男はマイケル・ゼハフビボー(Michael Zehaf-Bibeau)容疑者(32)と特定された。カナダの情報当局は、同容疑者を「高リスク旅行者」として監視対象としていたという。

 同容疑者は、戦没者記念碑の警備に当たっていたネイサン・シリロ(Nathan Cirillo)伍長を射殺した後、国会議事堂を襲撃し、警察によって射殺された。

 米政府高官からの情報として、容疑者の氏名を最初に報じたのは米テレビ局CBS。カナダ当局はその後、国内メディアに対してゼハフビボー容疑者の身元を確認するとともに、同容疑者が最近、当局にパスポート(旅券)をはく奪されていたことを明らかにした。

 カナダCTVテレビはゼハフビボー容疑者について、2003年に強盗と武器の所持で禁錮2年の有罪判決を受けていたと伝えている。また、同容疑者は違法薬物所持の疑いでも捜査対象になっていたという。

 一方、捜査関係者によると、モントリオール(Montreal)郊外で20日に兵士2人を車ではね、うち1人を死亡させたマルタン・クーチュールルーロー(Martin Couture-Rouleau)容疑者(25)もまた、今年7月にパスポートをはく奪されていた。同容疑者は兵士を車ではねた後に逃走し、数キロ逃げたところで道路脇の溝に転落、刃物を持って車から出たところを警官らに射殺された。

 クーチュールルーロー容疑者は、イラクとシリアで活動するイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」を支持していたと伝えられており、ゼハフビボー容疑者と同様、テロリスト監視リストに氏名が掲載されていた。

 カナダ当局は、「国内または国外の個人または団体がテロ行為を実施する意図や能力を持っていることを示す情報を入手した」として、90人を監視していることを明らかにしていた。(c)AFP