【9月11日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のルカ・ディ・モンテゼーモロ(Luca di Montezemolo)会長は10日、23年間の職務から退くと表明した。

 華麗なスポーツカーの代名詞であるフェラーリは、ここ6年間のF1では不振にあえいでいるが、つい数日前にはポストに留まる意向を示していたばかりの同会長が10月13日付で退任すると電撃発表し、激震に見舞われている。

 モンテゼーモロ会長は記者会見で、「今日は私にとって重大な日だ。フェラーリは、家族と同様に私の人生で最も重要な存在だ」と述べた。

 同会長はまた、「フェラーリは、文化であり情熱であり未来の展望である。フェラーリという組織には、優れた男性と女性、そして素晴らしい協力者がいる。多くのプロジェクトの未来を彼らの手に委ね、私は誇りを持ってチームを去る」と語った。

 イタリアの高級車フェラーリの次期経営トップは、親グループである同国自動車大手フィアット(Fiat)の最高経営責任者(CEO)セルジオ・マルキオーネ(Sergio Marchionne)氏が引き継ぐことになる。

 F1レース界において最大かつ最も輝かしいブランドネームを誇るフェラーリは、同GPが始まった1950年からサーキットを走り、その黄色と赤の背景に浮かぶ黒い跳ね馬のロゴは、瞬く間に世界中のモータースポーツファンに認識されるようになった。

 しかし、ここ6年間のフェラーリはパフォーマンスが冴えず、最近ではモンテゼーモロ会長とフィアットの間で経営戦略を巡る対立も重なり、周囲では同会長がチームを去るのではという憶測を呼んでいた。

 今回の決定は、経営統合したフィアット・クライスラー(Fiat Chrysler Automobiles)の新役員にモンテゼーモロ会長が任命されるものではないとされる。

 マルキオーネ氏は声明で、「フェラーリが最大限の可能性をレースで発揮するのを目撃したいとする欲望が、互いの明白な意見の相違につながった」と述べた。(c)AFP/Ella IDE