【9月10日 AFP】英北部スコットランド(Scotland)は分離独立を選ぶのか、それとも英国にとどまるのか──18日に行われる住民投票の行方に注目が集まるなか、英国内の他の地域でも「自治」と「国のあり方」をめぐる議論が活発化している。

 スコットランドとともに連合王国を形成する北アイルランド(Northern Ireland)やウェールズ(Wales)はもちろん、連合王国の中心をなすイングランド(England)の中でもコーンワル(Cornwall )州やヨークシャー(Yorkshire)州などで、長年くすぶってきたロンドン(London)の中央政府による支配に対する反発が勢いを増している。

「(スコットランド)独立が否決されたとしても、連合王国の国家構造には重大な変化が幾つか起きるだろう」と、北アイルランド・クイーンズ大学ベルファスト(Queen's University Belfast)のグレアム・ウォーカー教授(政治学)は分析する。「より緩やかな連合、おそらく一種の連邦制をとることになるのではないか」

 英国の主要3政党は揃って、独立が否決されれば税制など内政上のスコットランド議会の裁量権を拡大すると約束した。

 英国内では他の地域でも、独立を求める声が上がる可能性がある。最初に手を上げるのは、ウェールズ独立を掲げる地域政党「プライド・カムリ(Plaid Cymru、ウェールズ党)」や、北アイルランドのナショナリスト(アイルランドとの統一を望むカトリック系住民)たち、そしてコーンワル州に独立議会の設置を目指す地域政党「メビヨン・ケルノウ(Mebyon Kernow)」などだろう。

 ウェールズにおける独立の機運は、10人に4人が独立を支持するスコットランドに比べれば、はるかに低い。それでも、ウェールズ人の3分の1以上がウェールズ議会の自治拡大を望んでおり、スコットランド同様の税制上の権限拡大を訴える動きが出てくるだろう。

 北アイルランドでも、法人税を英政府の決めた21%からアイルランドと同じ12.5%まで下げるため、自治権拡大を要求する議論が盛んだ。