【9月7日 AFP】8日に行われる全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)男子シングルス決勝は、アジアの男子選手としては初めて四大大会(グランドスラム)の決勝に進出した錦織圭(Kei Nishikori)と、同じくメジャー大会での決勝は初のマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)という、ほとんど誰も予想しなかった驚きの顔合わせとなった。

 上位シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が準決勝で姿を消したため、今年の全米オープンは、2005年以来初めて、決勝にジョコビッチ、フェデラー、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の3選手が登場しないグランドスラムとなる。

 全米オープンにおいて、初めてグランドスラムの決勝に臨む選手同士が対戦するのは、パット・ラフター(Pat Rafter)がグレグ・ルードゼスキー(Greg Rusedski)に勝利した1997年大会以来となる。

 ジョコビッチを相手に、6-4、1-6、7-6、6-3で勝利した錦織は、今でも自分で自分をつねっているに違いない。

「自分が決勝でプレーできるなんてちょっと驚いています」と話した24歳の錦織は、これまで2012年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2012)でのベスト8がグランドスラムの最高成績だった。

 ジョコビッチとの3度目の対戦で2勝目を挙げた錦織だが、その前には、第5シードのミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)、第3シードの全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2014)王者スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を、4時間を超える5セットマッチの末に撃破している。

 錦織はつま先の手術を受けたため、ロジャーズ・カップ2014(Rogers Cup 2014)とウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2014)に出場できず、全米オープンの出場すら危ぶまれる状況だった。今回の決勝は、そうした中で達成した快挙だった。

 第10シードの錦織は、「プレーを再開できたのは、大会が始まるほんの数日前でした。ニューヨーク(New York)へ来るべきかどうかも分からなかった。実は、なんの欲もなかったんです」と話している。