【9月5日 AFP】サッカー国際親善試合が4日、各地で行われ、フランスが1-0でスペインを下した。

 ホームで試合に臨んだフランスは、後半28分に途中出場のロイク・レミ(Loic Remy)がマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)のパスから狙いすましたシュートを決めると、この1点を守りきり、内容に見合う勝利を収めた。

 世界王者の座から陥落したスペインは、引退したシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)やシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)ら、お馴染みの顔ぶれを複数欠くなか、装いも新たに臨んだが、ボールを圧倒的に保持するこれまでのスタイルこそ維持したものの、フランスの守備を崩し、本当に危険な場面を作り出すまでには至らなかった。

 一方、フランスは決定機をいくつか作り、特に後半開始4分に流れるような連携からカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)が巧みなフィニッシュを決めた場面は、オフサイドを取られたものの、リプレーを見ると微妙な判定だった。

 フランスで開催される欧州選手権(UEFA Euro 2016)に向けた2年のサイクルの初戦を勝利で飾ったディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、準々決勝に進んだW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でも見られた良い部分がチームに根付いていることを確認でき、喜んでいるに違いない。

 ブラジル大会で優勝したドイツに敗れた日からちょうど2か月後となった今回の試合で、デシャン監督はその時とほとんどメンバーを変更せず、ヨハン・カバイェ(Yohan Cabaye)に代えてニューカッスル(Newcastle United)のムサ・シッソコ(Moussa Sissoko)を起用しただけにとどめた。

 対照的にスペインは、DFのダニエル・カルバハル(Daniel Carvajal Ramos)とミケル・サン・ホセ(Mikel San Jose)、アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)のラウル・ガルシア(Raul Garcia)が代表初キャップを記録すると、GKのダビド・デ・ヘア(David de Gea)が代表通算2試合目の出場を果たし、イケル・カシージャス(Iker Casillas)は起用されなかった。

 チームの主将として欧州選手権連覇とW杯制覇という主要大会3連覇を成し遂げたカシージャスがベンチを温めたスペインは、ほぼ満員のスタッド・ド・フランス(Stade de France)でフランスを攻略しようと奮闘したが、及ばなかった。

■存在感無く終わったコスタ

 スペインは、FCバルセロナ(FC Barcelona)から唯一の先発出場となったセルヒオ・ブスケッツ(Cesc Fabregas)を中心に、魅力的なポゼッションを披露する時間帯もあり、セスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)も目立っていたが、最前線のジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)は印象を残せなかったW杯と同じく、ほとんど消えていた。

 対するフランスはスペインよりも多く好機を作り出し、ベンゼマやポール・ポグバ(Paul Pogba)が序盤からデ・ヘアの守るゴールに迫ると、後半4分にはベンゼマがヒールでシュートを決めたものの、オフサイドと判定され、喜びは一瞬で終わった。

 それでもフランスは、運動量の落ちないヴァルブエナが際どいシュートを放つと、迎えた後半28分、タッチライン際に抜け出したヴァルブエナの折り返しから、チェルシー(Chelsea)加入の決まったレミが代表通算5得点目となるゴールを決めた。

 スペインも、交代出場のダビド・シルバ(David Silva)が終了7分前にあわや同点の場面を迎え、ラファエル・バラン(Raphael Varane)とママドゥ・サコ(Mamadou Sakho)という、身体能力に優れるが経験の少ないCBコンビをひやりとさせたが、シュートは枠を外れた。(c)AFP/Andy SCOTT